料理の師匠長岡の姉さんの料理や故郷の味を紹介します。 同時に私が普段行っている身体にいい、料理のコツを紹介します。 ◆私の料理好きはおじいちゃんのDNAらしい・・・のです。
2009年12月16日水曜日
世界で一番美味しいもの
レモネード:冬の長岡は寒い。コタツに入って母の作る甘酒を飲むのは嬉しいものだった。
ある日9歳違いのS子ねえちゃんは、奥の部屋にいた4歳違いのA子ねえちゃんと10歳くらいの俺に、ニンマリと誇らしげに茶碗にレモンを浮かべた代物を持ってきてくれた。
茶碗に顔を持っていくと甘酸っぱい香りに欲情が湧いた。何やら幸せを予感させる香りだった。こんなことは初めての経験だった。『うんめー』
こんな時は決まって、うまいものをいつまでも楽しみたくて、ちびちびやるのが私だった。
『うんめーね!』何回か言えばもう一杯もらえると本能的に甘えたが、それしかレモンがないとS子ねえちゃん。どうせ自分でさんざん楽しんだ粕のほうなんだ。 とは言わなかった。『絞ればもう一回ぐらいでるろー』と姉の言葉。 行動は早かった。台所で砂糖を入れてそっと絞った。重たいヤカンの熱い湯を注ぎ、嬉しくてそっとこぼれないように茶碗を両手で拝んで、奥の部屋に行くとA子姉ちゃんも余程美味しいらしく、はしゃいでいた。
ちびちび飲んだ2杯目も無くなったとき、A子ねえちゃんの器が空になり、彼女は誇らしげに2杯目と、台所にたった。俺は3杯めのために2杯目は手加減して絞っておいた。同じ流しでぎゅぎゅっと絞ったレモンの液体は、はるかに確かに少なく!残念な予感がした。
しかしそんな気持ちよりも姉の『いいかげんにしれやー!』の一括はイジマシイ俺のタシナミに一石を投じた甘酸っぱい言葉として残った。 でも美味しかったなー。その代物を何と呼ぶのかは何年もわからなかった。知識よりも口の周りの神経だけがいつまでも幸せ感を残していた。両ねえちゃんに感謝。
2009年12月1日火曜日
18蓮とゴボウ・平井真夫
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